【レブロンポッドキャスト要約】Mind the Game #13 ディフェンスのスイッチとダブルチームの対策

2024年10月14日

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今回のエピソードでは、レブロン・ジェームズがディフェンスにおけるスイッチ戦略や、ダブルチームをどのように攻略するかについて詳細に解説しています。
彼は特に、個々のマッチアップの中で、選手がどのように自分の強みを活かし、さらにチーム全体のバスケットボールIQを向上させるための正しい判断をするかに焦点を当てて話しています。

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スイッチとダブルチームに対するレブロンの洞察


レブロンは、自身が長年にわたり経験してきたディフェンスのスイッチとダブルチームについて、その課題と対策を語っています。彼は、相手チームが意図的にマッチアップを狙ってきた際、どのように自分がその状況に対応してきたかを説明。特に、クリッパーズ戦での経験を引き合いに出し、ダブルチームが来たときにすぐにチームメイトにボールを回し、オープンショットを狙うことの重要性を強調しました。

重要なのは「正しい判断」と「チームの信頼」

レブロンは「ダブルチームに対処するのは、ただ相手を抜いて得点することではなく、いかにしてチーム全体を活性化させるかだ」と語ります。これは、相手が自分に対してプレッシャーをかけたときに、他のプレイヤーたちがリズムに乗るきっかけを与えることができるためです。レブロンは、「自分が得点して相手を引き付けた上で、すぐにチームメイトにボールを供給し、彼らが成功体験を積むことが長期的な勝利の鍵となる」と述べています。

スイッチディフェンスの問題点とは?

レブロンは、最近のNBAでは「スイッチ」が過剰に使われていると感じており、これは必ずしも効果的ではないと指摘しています。彼の考えでは、スイッチをすることで相手の有利なマッチアップを生み出してしまい、ディフェンスが崩れる可能性が高まるからです。実際、彼はクリッパーズ戦の第4クォーターでチームのスイッチ戦略を変更し、ダブルチームを避け、特定の選手に対するマッチアップを調整することで試合の流れを変えました。

ダブルチームに対する賢い対応

ダブルチームが仕掛けられたとき、レブロンは「どうやって相手をいなすか」が重要だと強調します。ダブルチームが来る前に、いかにしてチーム全体の状況を把握し、オープンなチームメイトを見つけられるかが、優れた選手とそうでない選手を分ける要素だと語ります。これを実行するには、自分がどこにダブルチームが来るかを予測し、常に「次のプレイ」を考えることが求められます。

「ワン・オン・ワン」の落とし穴

レブロンはまた、現在のバスケットボールで多用される「ワン・オン・ワン」の風潮にも疑問を投げかけています。若いプレイヤーたちは、個々のマッチアップに固執しすぎる傾向があるとし、「重要なのは、いかにしてチーム全体のアドバンテージを作り出すか」であると指摘しています。
レブロンにとって、「優れた選手」とは単に相手を抜くことではなく、ダブルチームを引き付けてからいかに効果的にパスを供給し、チーム全体のリズムを生むかにかかっているとしています。

最適なスイッチ戦略

クリッパーズ戦での経験を振り返り、レブロンは「スイッチをする場合でも、その状況に応じて調整が必要だ」と語っています。例えば、トレイ・ヤングのようなプレイヤーに対しては、ただスイッチをするのではなく、「ヘッジ」(一時的にディフェンスが前に出て、ボールハンドラーの動きを止める)を用いたほうが効果的であることを強調しました。

このように、相手のプレイヤーの特性に応じてスイッチ戦略を柔軟に変えることが求められるのです。

ポッドキャストの中でレブロンは「ターゲットボール」(意図的に特定のディフェンダーを狙う戦術)の危険性について詳しく解説しています。この戦術は、相手チームが守備の弱点となる選手を見つけ出し、そこを繰り返し攻撃するというものです。特に、守備が不安定な選手がディフェンスラインにいる場合、相手の優れたスコアラーはその選手をターゲットにし続け、個々のプレーヤーがチーム全体に大きな負担をかけることになります。

レブロンは、このターゲティングがもたらす「負の連鎖」について指摘しています。具体的には、一度ディフェンスが崩れると、それに対処しようとする他の選手たちが過剰にローテーションし始め、最終的にチーム全体が守備のリズムを失うことです。さらに、一人の選手を執拗に狙われることで、その選手自身もメンタル的に追い詰められ、結果的にさらにパフォーマンスが低下してしまいます。

優れたスコアラーはこの状況を巧みに利用し、あえて相手の弱点に向かってドライブやシュートを繰り返すだけでなく、意図的にダブルチームを引き出すことで他のチームメイトをフリーにさせます。レブロンは「ターゲットボール」を「チェスのようなゲーム」として捉えています。つまり、相手の守備が崩れる瞬間を待ちながら、いつどこで攻撃を仕掛けるかを冷静に計算し、その後にチーム全体を崩壊させる一手を打つことができる選手が、真のエリートプレーヤーであると述べています。

また、このスイッチ戦略の一例として、レブロン・ジェームズが試合中、意図的にJJレディックを自分のディフェンダーとしてスイッチさせていたエピソードが語られています。
レブロンは、レディックを守備でターゲットにしやすいと感じており、彼にマッチアップさせることで、優位に立とうとしました。特にピック&ロールの際、スクリーナーを使ってレディックを自分の前に持ってくることで、ディフェンスを崩しやすくし、自身がより得点しやすい状況を作り出していたのです。

レブロンの経験に基づいた戦略変更

最後にレブロンは、自身の豊富な経験に基づいて、試合中にディフェンス戦略をアドリブで変更することもあると語っています。
たとえば、彼は特定の試合中にスイッチ戦略を廃止し、代わりにマンツーマンディフェンスを強化することで、相手に有利なマッチアップを作らせないようにしたと述べています。

このような即時的な判断力が、レブロンを他のプレイヤーとは一線を画すリーダーにしているのです。